ごあいさつ
第19回膵癌術前治療研究会 当番世話人
近畿大学 外科学教室 肝胆膵部門 松本 逸平
このたび、第19回膵癌術前治療研究会を2025年10月25日大阪で開催させていただくことになりました。近畿大学外科学教室にとりまして、大変光栄に存じますとともに、このような機会をお与えいただました海野倫明先生をはじめ、世話人の先生方、会員の先生方に心より感謝申し上げます。
本研究会は、海野倫明先生を代表世話人として膵癌術前治療に関する多施設共同臨床研究を推進し、そのエビデンスを創出する目的で2010年に発足しました。術前GS療法による多施設共同第Ⅱ相試験(Prep 01)を経て、切除可能膵癌に対する術前GS療法の有効性を示す(Prep-02/JSAP-05)の結果が2019年ASCO GIではじめて報告されました。膵癌に対する術前化学療法が標準治療の一つとして位置付けられ、以降本邦では切除可能膵癌に対する術前GS療法が広く行われています。本研究会より発信されたエビデンスが新たな膵癌治療に大きく貢献しました。
今回のテーマは「術前治療の光と影〜未来への挑戦〜 Never Stop Challenging for the Future」といたしました。膵癌術前治療は広く普及し、特に薬物治療の進歩により多くの新たなエビデンスも報告されるようになってきました。一方、術前治療には手術適応やレジメン、支持療法、胆道ドレナージのマネージメント、高齢者膵癌に対する治療など、様々な課題が存在しています。今回、各施設の術前治療成績を真摯に振り返り、その有用性「光」とともに、合併症・有害事象や負の経験・苦労した経験など「影」についても情報を共有し、術前治療の課題を明確にしたいと考えています。それら課題解決のため努力し続けることが、我々の使命でありさらなる膵癌治療成績向上につながると思います。以前は外科医中心の研究会でしたが、最近では内科医、放射線科医、病理学医の先生も参加されます。膵癌術前治療の諸問題について、本研究会ならではの活発な忌憚のない討論を行い、解決策を模索したいと思います。
10月の大阪は、爽やかな気候で過ごしやすい季節です。今回会場となりますのは大阪OBPクリスタルタワー会議室で、大阪城の壮麗な景観が楽しめます。大阪城周辺は歴史と文化の息吹が感じられる魅力的なエリアで、その美しい公園も見どころです。また、大阪は食文化も豊かです。研究会の合間やお休みの際には、「たこ焼き」や「お好み焼き」などの名物料理をぜひご堪能ください。
実り多き研究会となるよう、教室員一同精一杯準備して参ります。皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。